『第58話』イチジクのおもひで

建て替え

すこし前のことです。
近所のスーパーへ買い物にいくと、店先にイチジクが並んでいました。
『ああ、イチジクが採れる時期なんだ…』
懐かしさがこみ上げ、脳裏に祖母の顔が浮かんできました…

それは、わたしが小学生くらいの頃の話です…
もう40年以上前のこと。

建て替え前の家の庭に、2本のイチジクの木がありました。
亡くなった祖母はイチジクが好きで、実が熟すと喜んで採って食べていました。
しかし、小さかった私は苦手で、ほとんど食べなかった記憶があります。

そういえば、柿の木もありました。
柿も苦手だったなあ…

イチジクや柿の木ってどうなったんだっけ…?
ああ、物干し台を建てるときに邪魔になって、切ったんだ。

物干し台を建てる前は、柿の木に洗濯物を干してたんだよね~
それで、たまに毛虫とか、刺されると痛い虫とか、アリなんかが洗濯物にくっついてたりして。
母のツツコは、洗濯物の中から出てきた虫に刺されたりしてたような気がする…
よく、そんなところに干してたなあ…

買い物を終え、スーパーからのいつもの帰り道。
ご近所の庭先に茂っている、大きくて濃い緑色の元気な葉っぱたちが目に飛び込んできました。
よく見ると、葉っぱの間に黄緑色の小さな実が。

ああ、これ、イチジクの木‼
わあ~、立派な木‼

もう少しすると、さっきスーパーで売っていたような赤いイチジクになるんだね~
この家の人も、きっと楽しみにしてるんだろうな…

~翌週~

スーパーの帰り道、件の家の前を通りかかると…
何やら黒い物体が…
4羽のカラスが、熟れた赤いイチジクを美味しそうについばんでいました…                                           

ツバキのつぶやき

イチジクは、不老長寿の果物と呼ばれるほど豊富な栄養素を含む果物だそうです。
夫のネリオおススメのドライイチジクは普段からよく食しています。 

機会があれば、生のイチジクも買ってみようかな…                   

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